7年前の秋、娘の留学先、ウィーンに行きました。夜、カールスプラッツ駅に降り立ったときに、美しい教会がライトアップされているのが目に入り、それがカールス教会でした。

あとで調べると、それは1713年、神聖ローマ皇帝カール6世が、ペストの撲滅を祈願して建てたものだそうです。
ベストは非常に致死率の高い恐ろしい伝染病でした。ネズミが感染源だと言われています。幾度も繰り返されるペストの蔓延は歴史を大きく変えました。
ウィキペディアによると、イングランドやイタリアでは人口の八割が死亡したそうです。
1679〜80年、オーストリアで76000人が死亡、1681年、プラハでは83000人が死亡、とあります。
ペストのことは歴史で習って知っていました。でも、伝染病というものが、こんなにまさに自分の生きてる社会を大きく揺さぶるものになるとは思いもしなかった。ペストに比ぶべくもない新型インフルエンザだけど。
ペスト撲滅を祈念して教会が建てられた、ただの過去の歴史の一つとしか思わなかったけど、コロナ終焉のときには、みんな、集まり会えることの喜びを再認識することでしょう。いつのことか。
さて、私自身はメインのパン教室という楽しいお仕事がなくなりました。23年、続いて、いまも楽しみにししてくださってる方々がいますが、今後はパンの製造販売にシフトするごとにしました。軌道に乗るまではしばらくかかるでしょう。
皆んなでワイワイとパンを作ったり、ランチしながらおしゃべりをしたり、いまや懐かしい過去のこととなりました。
音楽を生業にしている娘夫婦も、おそらく全てのお仕事が継続不能になっていると思います。私たちを励まし慰め、生きる喜びを与えてくれる音楽、日常品と同じレベルの必要性があるのに。
人々の楽しみの場所が、ほとんど閉鎖になり、町がガランとして、あの渋谷のスクランブル交差点でさえひっそり。こないだまで開いていたカフェやお店がここにきてクローズ。みんな、ほんとうにステイホームを守っています。これからどんな大不況がやってくるか、想像もつきません。
何かおかしい……
もっともっと感染者や死者の多いインフルも毎年流行してるのに。
そんな気がします。
きようは寒い日曜でした。